いまや3Dプリンターは身近な道具
「3Dプリンター」
と聞くと、
「最近企業で利用されるようになった機械」
とか
「近い将来普及するであろう夢のある道具」
というイメージがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、3Dプリンターを使っている人にとっては
すでに手が届くところにある便利な道具
という感覚です。
実際Amazonで検索しても、3万円前後と紙用のプリンターと遜色ない値段で手に入ることがわかります。
3Dプリンタにーよる模型プリントの流れ
3Dプリンタによる模型プリントの流れは「プリンタ」という名前の通り、紙のプリントと比較するとよくわかります。
紙のプリントの流れ
- プリンタにインクをセットする
- 文書データをプリンタに送信する
- 紙に文字がプリントされる

3Dプリントの流れ
- 3Dプリンタに材料(樹脂のチューブ、スパゲティくらいの太さ)をセットする
- 3D表面データをプリンタに送信する
- 板の上にモデルが作成(積層)される

- 自分のPCとプリンタをつなげるだけで操作可能
- プリンタに材料を足し、データを送るという形式
- 印刷開始後は接続しなくてもプリントしてくれる
- 3Dプリンタのソフトを使用する必要あり
- データ形式が表面データ(.stl, .obj, .plyなど)
- 印刷時間が長い:モデルの大きさによる
- プリント前のキャリブレーション(位置補正)が必要なことがある
実際の操作
シンプルな模型を作って表面データを3Dプリントしてみます。
今回はこちらのページを使用しました。


パラメータをいれて円錐のデータを作成します。
表面データは「.stl」という形式で出力されます。
3Dプリンターのソフトで.stlを開きます。
プリントする方向を決めます。
下から積み上げていく形なので、浮いている部分が多いと、そこは
「サポート材」
という、モデルとは違う部位にフィラメントを積み上げ、支持を行います。
多くの3Dプリンタでは、どこにサポート材を置くか自動的に計算してくれます。


円錐を横に置くと、浮いた部分全体がサポート材で支えられます。
これでは無駄遣いになるので、もっとも効率がよい位置に配置します。


「印刷」ボタンをおすと、データ送信完了です。
フィラメントが約300度に温められ、溶けた状態で下の基盤に積み上げられていきます。



約40分ほどで完成です。

モデルが複雑なほど、サポート材の形状は複雑になります。



サポート材は手や先のとがったペンチなどで簡単にはずれます。

3Dモデルの入手方法
1)ダウンロード(無料・有償)
表面データを配布していたり、販売しているサイトもあります。
現在のところ、多くは海外サイトです。
モデルの質によって有償、無償が決まっているようですね。
代表的なサイトをいくつか上げておきます。
2)作成する
作成するにもいろいろな方法があります。
- ソフトで作成する
- スキャナで3次元データを取り込む
- 単純なデータをあわせる
●ソフトで作成する
おすすめの無料ソフトは以下の2つです
- Slicer
- Blendar
Slicerは主にCTデータなどすでにあるデータから表面データを作成する無料ソフトです。
Blendarはどちらかというと、一からデザイン、設計して表面データを作成する無料ソフトです。
●スキャナで3次元データをとりこむ
3次元用のスキャナも販売されていますが、価格は6万〜10万といったところで、
現状、日常使用からはちょっとだけ高い価格帯にあります。
最近だと携帯用アプリでもSTLデータを作成できるものが増えています。
●プログラミングで作成する
プログラミングを使用して簡単な表面形状を思った通りのサイズで作成するのは比較的簡単です。
私はPythonのVTK(Visual Tool Kit)というツールを使用して作成しますが、
同じ機能を用いて以下のページで表面形状が作成できるようにしているので、よかったら使用してみてください。
一家に台3Dプリンタが来る日も近そうですね