ここではDICOMデータを無料DICOMビューアーである「Horos」を使用して匿名化する方法を紹介します。
DICOMデータの中には様々な情報が入っています。
それは画像データだけではありません。
CT画像のファイル一つ一つに、患者の名前、年齢、患者ID、撮影病院、撮影日時、
撮影担当者などプライバシーに関する情報がたくさん入っています。
そのため、研究やデータ保存として患者のCTデータのCDをそのまま保管していたり、
CDからの丸コピーデータを持つのは賢明ではありません。
順を追って説明していきます。
まずHorosを開いて匿名化したいDICOMデータのシリーズを読み込みます。
HorosでのDICOMの読み込み方法はこちらの記事を参照
この時点ではPatient Name(患者名)はProgramming Surgeonとなっています。
念の為pythonなど外のファイルからDICOMデータを呼び出してもPatient Nameは同様です。
このCTデータのシリーズを匿名化していきます。
Horosを開いた状態で、ツールバーの「ファイル」→ 「匿名化」を選択します。
匿名化したいタグが出てきます。
例として、PatientName(患者名)をClinical Surgeon、PatientIDを1から2、PatientAgeを20に変更します。
ほかに変更したいタグがある場合は「Select a DICOM tag」から選択できます。
DICOMのタグが出てくるので、書き換えたいタグがあったら選択します。
すべて設定したら「エクスポート」のボタンを押します。
フォルダを選択します。
選択されたフォルダにDICOMデータを書き込んだフォルダ Anonymized —– が作成されます。
確認のためこれを再びHorosに読み込むと、
PatientName(患者名)が無事「Clinical Surgeon」に変更されています。
念のため、外部からpythonで読み出してみます。
Horos以外からアクセスしてもタグが書き換えられていることが確認できました。
注意点:画像で個人情報が入っている場合は匿名化されない
これは落とし穴なのですが、レントゲンデータなどでは、個人情報が画像化されてしまっていることがあります。
これはDicomの画像データ内に入っている濃度のデータなので、匿名化できません。
画像内に個人情報がないか注意しておきましょう。
みなさん気をつけましょう。